坂本龍一さんNMNLポスターギャラリー

SPECIAL

NO MUSIC, NO LIFE.は、これまでたくさんの時間を坂本龍一さんと共に過ごしてきました。これまでも、そしてこれからも。感謝とリスペクトを込めて。


坂本龍一 & 高橋幸宏 & 細野晴臣
2004.03

坂本龍一
2006.12

これからの人や企業にとって必要になるのは「VALUE」。
「VALUE」は今までは単なる音楽情報だったかもしれないけど、
これからは英語で言えば「TRUST」の様なものかもしれないし、
「COMMUNICATION」の様なものかもしれない。
そこに行けばパワーがあったり、興味や発見があったり、刺激があったり、
何か新しいエネルギーや面白い事が渦巻いている感じ。
もっと言えば「愛」だったりするかもしれない。
単なる音楽の情報ならON LINEで手に入れられる時代。
これからの「VALUE」の意味は変わってきたと思いますね。
(坂本龍一)

高橋幸宏 & 坂本龍一 & 小山田圭吾
2009.02

今はね、100年に一度どころか500年に一回の転換期。
どこへ向かえばいいのかというビジョンを自覚することがとても大事な時代だと思います。
その中で音楽は社会にとっての薬であり、鏡でもあり、予言でもあります。
(坂本龍一)

今は、経済とか以前に、地球も人間もものすごい力で変わっていこうとしているのを感じますね。
時代と音楽のかかわり? って昔から良く聞かれるんだけど、
とりあえず自分ができるのは音楽だけかなと。ポジティブな意味で。
自分にとって、作れる以上は作り続けなきゃいけないのが音楽。
そして時代がポジティブな方向に少しでも向かえばいいと。
(高橋幸宏)

最近のっぴきならない事になってきてCHANGEとか言われてますけど、
日本で生活している中では大きな変化を感じられず、相変わらずな閉塞感を感じます。
音楽って言ってもいろいろあるんで……
自分の音楽に関して言えば、心に作用するものなのでマッサージみたいな、
音の振動で人をマッサージする、そんな感じかなと。
(小山田圭吾)

Yellow Magic Orchestra
2012.07

Yellow Magic Orchestra
2012.07

今ぼくたちが持っている様々なシステム、
例えば資本主義、市民社会、金融経済、中央制御型エネルギーシステム、、などがことごとく矛盾を露にしていて、
世界中でそれに対するオルタナティブな意見や取り組みが広がりつつある過渡期だと捉えています。
20世紀からの大きなパラダイム、あるいはもっと大きく言えば産業革命以来続いた一つのパラダイム、
さらにもっと大きくこの500年続いた資本主義と科学技術の発展に基づいたパラダイムが
大きく変わる予感があります。

ぼくは基本的に「~~すべき」という考え方はとっていませんし、好みません。
音楽は人間や社会の変化を敏感に反映します。
時には炭坑のカナリアのように先駆けて変化を映すこともあります。
また病気に対して処方される薬のように働くこともあります。
毒には毒をもって制す場合もあれば、
身体が硬結しているとき、整体や鍼のように身体を緩めてくれる場合もあります。
(坂本龍一)

「時代は変わる」と言うように時間は常にながれています。
今はその中でも、大きな変化の時の中。
それはある種の歪みを伴って我々に「どうする?」と問いかけて来ている。
変わらなければならないのに出口が今ひとつ見つからない。
さてどうしたものか、というのが正直な気持です。

普通でいられること、やはり日常の大切さを感じることが出来る感覚を音楽が教えてくれてます。
(高橋幸宏)

20世紀中盤に建てられた政治経済文化の屋台骨が古くなり、
天変地異をきっかけに建て替えざるを得ないという時期。

困難な時代にも一息入れられる日常は大切。そこに音楽が息づく。
(細野晴臣)

青葉市子と妖精たち(細野晴臣・小山田圭吾・U-zhaan+帽子(坂本龍一))
2013.08

青葉市子と妖精たち(細野晴臣・小山田圭吾・U-zhaan+帽子(坂本龍一))
2013.08

今の時代は
「洗脳の海」
波に揺らぐ舟の上
人間は魚の夢をみてる

音楽は
「灯台」
多くの灯台、その中で
ほんとのヒカリの放てる灯台を
どうぞ その耳で、ハートで、見つけてください

(青葉市子)

坂本龍一 & 山田洋次
2015.11

「歌を忘れたカナリアは…」という童謡が昔あったけど、今の日本人は歌うことがない。
更に云えば歌うことを奪われていると思う。
ぼくたちは自分の歌をうたうことをとり戻さなくてはならない。
(山田洋次)

約1万年前まで、人間は長い定常状態のなかで暮らすことが多かった。その遺伝子は今でもぼくたちのなかに受け継がれている。
しかし現代、特に20世紀以降、社会環境、自然環境、おまけに気候まで常に変動するなかにぼくたちは置かれている。
体や心にいろいろな不具合が生じるのも当然だ。
音楽は必ずぼくたちの思考や心から生じるので、そのような激変に常にさらされていることは
音楽に大きな影響を与えるだろう。
そのなかにあって常に変わらぬものを求めることも、また音楽なのである。
(坂本龍一/音楽家)

坂本龍一
2023.01

2021年3月初旬、大きな手術をして長い入院の末、新しい仮住まいの家に「帰って」きた。
少し体が回復してきた3月末のこと、ふとシンセサイザーに手を触れてみた。
何を作ろうなどという意識はなく、ただ「音」を浴びたかった。
それによって体と心のダメージが少し癒される気がしたのだ。
それまでは音を出すどころか音楽を聴く体力もなかったが、
その日以降、折々に、何とはなしにシンセサイザーやピアノの鍵盤に触れ、
日記を書くようにスケッチを録音していった。
そこから気に入った12スケッチを選びアルバムとしてみた。何も施さず、あえて生のまま提示してみる。
今後も体力が尽きるまで、このような「日記」を続けていくだろう。
(※オリジナルアルバム「12」メッセージより引用)

(坂本龍一)